北門周辺で少し歩みを緩め、街並みを見上げてみると、目立とうとはしないものの、静かに時間を抱え込んだ建築があることに気づきます。MEANDER 1948が入るこの建物は、かつて士林紙業に関連する建築でした。柱列や梁、構造、そして全体の比例には、工業と商業が台北の骨格だった時代の空気が今も残っています。ここに滞在することは、宿に泊まるだけでなく、都市に残された建築の記憶と静かに向き合う体験でもあります。
MEANDER 1948に泊まるなら、朝は予定を詰め込む必要はありません。扉を出ると、コーヒーの香りが自然と進む方向を教えてくれます。北門周辺のカフェは観光地ほど主張は強くありませんが、ちょうどいい空間が静かに点在しています。地元の人が毎日通う昔ながらの店もあれば、ハンドドリップで静かに一杯と向き合える場所、そしてコーヒーを片手に街を歩き続けられるスタンドもあります。ここでのコーヒーは、ただ目を覚ますためのものではなく、台北のリズムにゆっくり入っていくための存在です。
台北の人に「歩いて街を一周、食べ歩きできる場所はどこ?」と聞くと、観光夜市が答えに出てくることはあまりありません。よく知っている人にとっては、北門を起点に太原路や華陰街へゆっくり歩くだけで、一日の食事の流れはすでに整っています。これはチェックリストのようなルートではなく、時間が合えば自然と行列に出会う、そんな街の日常です。
年配の台北の人に「太原路」と言うと、少し考えるかもしれません。でも「後車站」と付け加えると、記憶が一気によみがえります。観光ガイドで大きく紹介される場所ではありませんが、多くの家庭の生活の軌跡を静かに支えてきた通りです。買い物、備え、年中行事、開店や引っ越しまで、太原路はずっとそこにありました。
台北が初めての方に、私たちがよく言う言葉があります。「まずは北門を歩いてみてください」。清代の城門、日本統治時代の鉄道、そして現在の高速鉄道と空港線が交わる都市の結節点。北門はいつも「出発」と「到着」のあいだに立ち、台北を知る最初の一歩として最適な場所です。
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